らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【絵画】安田靫彦展 うつくしきものたち





今回は、安田靫彦作品の「うつくしきものたち」について書いてみたいと思います。

先の記事の男たちに並んで自分の心を惹きつけたのが、
梅の花を描いた作品の数々です。


「紅梅」




「春暁」







「紅白梅」









安田靫彦梅の花は、何よりも可憐でかわいらしい。
彼の梅を描いた作品を見ていると、
飽くことなく、じっと梅の花をみつめて観察し、
その美しさを余すことなく自分の心に収めようとする姿が浮かんでくるような気がします。

それは小さな花のつぼみや花の花弁、細かい枝のしなりなど、
普通の人が見落としてしまうような細部に至るまで、
あたかも男性が、大好きな女性をみつめる姿にも似たところがあります。

歴史画というのは基本、実物の観察というものがありませんので、
作者の観察という意識をあまり感じなかったのですが、
実際の梅の花を描いた作品で、
対象を観察する意識というものを際立って感じたのかもしれません。




「羅浮仙」






正面の可憐でかわいらしい女性よりも、
背景の白い梅の花に思わず目がいってしまう作品です。
本当に美しい。この白梅の花は(笑)
女性が霞んでしまう美しさがあります。

実はこの女性、羅浮仙とは梅の精なのですが、
梅の精よりも梅の花そのものに目がいってしまうのは、
やはり現実的に見出だされた美しさというものは、空想的な美しさに勝るということでしょうか。
この梅の花の美しさには力があるんです。




「伏見の茶亭」





茶室の豊臣秀吉を描いたものですが、
この作品の主役は秀吉ではなく、彼の手もとの梅の花だと自分は感じます。
小さくとも可憐で美しく、その存在感は天下人秀吉におさおさ負けていません。
安田靫彦の描く梅の花は、本当に美しい存在感と命の強さが描かれています。





「飛鳥の春の額田王





額田王は並みいる安田靫彦の人物画の中でも別格で、 
見惚れてしまう美しさがあります。
彼女は花そのものです。
花の化身のような凛とした美しさに満ちています。

存在感という意味では、先に称賛した黄瀬川の陣の頼朝義経にも勝るとも劣らない美しさがあります。
しかし、それは男性が感じる女性への性的なそれとは少し違います。
説明が難しいのですが、不思議な落ち着きを感じさせるふくよかな感覚とでもいいましょうか。
これは生で見ないとわからない感覚なのかもしれません。





以上、特にインスピレーションを受けた作品のみの紹介でしたので、
僅かばかりではありましたが、安田靫彦の作品いかがだったでしょうか。

なお、東京国立近代美術館には、その他にも面白い作品が色々所蔵されており、
それについても見てきましたので(安田靫彦展のチケットで無料で見ることができた)、
それらの作品の記事も追々書いてみたいと思います。
お楽しみにしていてください。