らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

や行の作家

「ノートルダム・ド・パリ」ノートルダム大聖堂 ユーゴー

作品の前書きを読みますと、この作品を書くきっかけとなった出来事が書いてあります。ノートルダム大聖堂の薄暗い壁に、何か文字が刻んであるのを認めたユーゴーは、近寄って確かめてみますと、ギリシア語で「ΑΝΑΓΚΗ 」すなわち、宿命と書いてあった。中世に…

「ノートルダム・ド・パリ」プロローグ ユゴー

レ・ミゼラブルの作者ヴィクトル・ユゴーの歴史的大作。全編1000ページにわたる、パリのノートルダム寺院を舞台とした、様々な人間の喜悲劇を繰り広げたものですが、外国の長編ものが苦手な自分が、なぜこの作品に挑んだのか。実は、現在横浜で公演され…

【閑話休題】行方不明の2歳児発見される

最近、山口県で行方不明だった2歳の男の子が発見されたとのニュースがあり、そのニュースを見た人たちは、ほっと胸をなでおろしたことと思います。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34165580V10C18A8000000/https://mainichi.jp/articles/20180815/k00…

「名刺」山村暮鳥

おとづれてきたのは風かるすのまに木の葉の名刺が置いてあるここらにはみかけない秦皮(とねりこ)のはつぱだ自分が夜、仕事から帰宅しますと、ふと玄関の端に落葉した葉っぱを1枚見つけました。おそらく自分が玄関に入った時に風と一緒に入ってきたものか…

「鼓くらべ」山本周五郎 教科書名短篇より

山本周五郎肖像お留伊は町一番の絹問屋の娘で、その鼓の腕前は素晴らしく、正月に金沢城にて前田候の御前で行われる鼓くらべで、一番の賞間違いなしといわれるほどでしたが、勝ち気で負けず嫌いで、その鼓を打っている姿は、美しさというよりは、むしろ凄ま…

「童謡」吉行淳之介 教科書名短篇より

吉行淳之介肖像実は、自分は5歳の時に急性腎炎を患い、幼稚園を休んで、半年間、自宅で療養していたことがあります。わんぱく盛りの子供にとって、蒲団の中にじっとしていなければならないことは、とてもつらいことで、特に腎炎というのは痛みがない病気な…

「夏の葬列」山川方夫 教科書名短篇より

山川方夫肖像この作品でまず目を惹くのが、その題名の鮮烈さ。「夏の葬列」大人になった主人公は、戦時中に、かつて疎開していた海辺の町を訪れ、そこで小さな葬列を目にします。その瞬間、彼は十数年の歳月が宙に消え、疎開していたその当時にフラッシュバ…

「三国志」後編 吉川英治

三国志の人物の中で誰になりたいかと問われれば、自分はやはり劉備を選びます。それは何故か。確かに、彼は流転の連続で辛苦を舐め続けた人生でしたけれども、関羽張飛という生涯離れる事のない義兄弟と生涯を歩み続けることが出来ましたし、そして何よりも…

「三国志」前編 吉川英治

今回は、吉川作品の中でも自分が最も愛読した「三国志」を取り上げます。 自分と三国志の付き合いは、小学生高学年くらいからですから、もうかなりのものになります。ちなみに漫画の横山光輝「三国志」は、この吉川英治の作品をベースにしたものです。 三国…

「雨あがり」山之口貘

久しぶりに青空文庫の小品を読みました。作者の山之口貘さんは沖縄出身の詩人だそうです。朝土砂降りで、午後に雨がからっと上がると、自分もかなりの確率で傘を家に持って帰るのを忘れます(-_-;)小学生のミミコちゃんのことを笑うどころではありません。さ…

「留魂録」吉田松陰

先日、幕末の長州を描いた大河ドラマ「花燃ゆ」で、吉田松陰が安政の大獄で刑死する回が放送されました。その中で出てきた、処刑される前日に書かれた、吉田松陰の遺書ともいうべき留魂録。今でいうB5ほどの大きさで、五千字といいますから、原稿用紙十枚…

「雪景」山村暮鳥

山はぷりずむ山山山山上さらにまた山雪のとんがりきららかに天をめがけ山と山とは相対して自らのひかりにくづれつ雪の山山きらりもゆる雪山山山のあいだに於いて折れたる光線せんまんの山を反射す http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/ad/8aa1c4144db17…

「台風」与謝野晶子

先週、台風26号が来襲し、今週もまた27号が日本列島を伺う気配の昨日今日となっていますが、本日は、首都圏も厚い雲に覆われた重い空の朝となっています。そこで今回は、与謝野晶子「台風」という随筆を読んでみました。時代は今からちょうど100年く…

「あんぱんまん」やなせたかし

先日、「アンパンマン」の作者やなせたかし氏が、94歳でお亡くなりになりました。1988年に「アンパンマン」のテレビアニメが放映開始されて以来、もう四半世紀も子供達の人気キャラとして、不動の地位を占めているアンパンマン。しかしながら、自分は…

「春」山村暮鳥

「春」のろいなのろいななのはなのはたけのなかをゆく汽車はひらひらひいらあとからその汽車追つかける蝶々(てふてふ) 皆さんは、山村暮鳥という詩人をご存知でしょうか。明治から大正にかけて活躍した人で、独特のリズムで、自然や季節の美しさを表現し…

「春は馬車に乗って」横光利一

最近、入院中の父の見舞いの帰省やらなんやらで、なかなか本が読めませんでしたので、久しぶりに読んでみました。といっても今回読んだのは、不治の病で入院している妻と、それを見守る夫の話なんですけれどもね(^_^;)冒頭から読んでいくと、病院のベッド…

「月蝕」夢野久作

月蝕の様子を擬人化して、月を色白き美女に、月を侵食してゆく黒い影を、美女に斬り込んでゆく鋭利な刃物に見たてた、夢野久作らしい猟奇的であり、かつ幻想的でもある作品。大勢の人々が見ている目の前で、月の光のように真っ白な肌の美女の美しい顔に、円…

「瓶詰地獄」夢野久作

青空文庫には人気作品という欄があります。夏目漱石「こころ」、芥川龍之介「蜘蛛の糸」、太宰治「人間失格」、宮澤賢治「銀河鉄道の夜」など名だたる名作を押しのけ、1位となっているのは、夢野久作「ドグラ・マグラ」。ご存知でない方もいらっしゃるかも…

「蠅」横光利一

2日連続して横光利一作品です。さて今回の「蠅」は彼の代表作として挙げられるものだそうです。作品を通して馬のまわりを飛び交う一匹の蠅が登場しますが、感情の類は一切なく一個の無機物として終始します。物語に登場する馬車には息子が危篤の農婦、わけ…

「頭ならびに腹」横光利一

「真昼である。特別急行列車は満員のまま全速力で馳けてゐた。沿線の小駅は石のやうに黙殺された。」特別急行列車の疾走感を感じることができましたか?自分のイメージ的には新幹線ののぞみとか、地元限定ネタですが京急の快特がこんなイメージでしょうか。…

「伊良湖の旅」吉江喬松

本日は吉江喬松という、国木田独歩と一緒に仕事し、後に早稲田大学文学部仏文科を創設した人の紀行文です。いきなりですが、自分は旅が大好きで日本中を旅して全47都道府県全部旅した。と言いたいところですが、残念ながら高知県だけはまだ行ったことがあ…

「姑と嫁について」与謝野晶子

今回は、明治を代表する女流歌人与謝野晶子が、実際に嫁が姑を殺傷未遂した事件をもとに、嫁姑関係どうあるべきかを論じた文章である。与謝野晶子というと月並みだが、自由奔放な情熱的な歌人というイメージしかなく、一体どんな意見を言っているのかと思っ…